P20

これからも、暮れない。

紅とは、あざやかな、あかい色。
口紅の事を指すこともある。

その口紅は、ベニバナから採った染料を使用する。花弁を圧搾(あっさく)、発酵させたものを灰汁(あく)に浸して色素を抽出。酸を加えて、沈殿した赤色色素のみを絹布でこす。これを、猪口や貝殻に塗り口紅としていた。乾燥した状態では、玉虫色に見える。
容器は繰り返し使う事が常で、職人に紅を塗り直してもらっていた。

モノに溢れている時代だからこそ、日本ならではの"大切に長く使う"ことを思い返したい。
顔を隠すことが多くなったこの世の中だからこそ、唇は、何かを紡ぐ、温かくて、明るいものでありたい。

唇も、伝統も、暮れさせない。
使い続ける「紅」の提案。


制作協力:(株)エクタス/鳥羽漆芸

材質:アクリル
塗装:漆(金剛石目塗)
サイズ:W60mm×D60mm×H36mm

  • 乾燥した状態では、玉虫色に見える。水を含ませると赤色になるが、唇に塗り重ねると、 再度玉虫色がかった色になる。その発色の仕組みは、わかっていない。

作品解説

作品の企画趣旨や解説等がご覧いただけます。

展示ブース

3 thoughts on “P18003

  1. 女性であり作り手であるからこその作品だなと思いました。
    デザインがシンプルでどの年代の方でも手に取りやすそうです。

  2. 普段手に取るコスメはどれもパッケージが洗練されていて素敵なものでしたが、使い捨てになってしまう為勿体ないなぁと感じていました。何度も繰り返し使い続けられるのは、資源の節約にも繋がるとても素晴らしいアイデアですね!

    口紅を付けなくなって久しいのですが、保管して眺めるだけでもワクワクするようなこちらの作品をぜひ使用してみたいです!

  3. 伝統も暮れさせないって言葉素敵。
    使い続けれる紅は手元に欲しいなと思いました。デザインもスタイリッシュでかっこいい。

コメントの受付は終了しました。